Chaos Anima 6 と Unreal Engine 5 の連携方法
- 秀明 工藤

 - 9月13日
 - 読了時間: 3分
 

1. はじめに
群衆シミュレーションソフト Chaos Anima 6 は、建築パースや映像制作で欠かせないツールです。Unreal Engine 5 と組み合わせれば、写真のようにリアルで、しかも リアルタイムに動く群衆表現 が可能になります。
本記事では Anima で作成したシーンを UE5.4 / 5.5 / 5.6 にインポートする方法 を図解イメージ付きで解説します。
2. プラグインの準備
Anima のインストーラーには 「Anima Alive(旧Anima Drop)」 プラグインが含まれており、これを UE に導入する必要があります。
インストール時に 互換バージョンの UE を自動検出してプラグインを追加
ワークステーションモードのみ対応(Render Node では不可)
Epic Games Launcher 版 UE 限定対応(カスタムビルドは非対応)
サポート対象:常に最新の安定版 (2025年9月時点では UE5.4 / 5.5 / 5.6)
📌 注意: 旧バージョン(UE4.27など)はサポート終了が近づいています。

3. Anima でシーンを作成
Anima を起動し、俳優(Actor)を配置
群衆の動き・歩行アニメーションを設定
プロジェクトを保存
このプロジェクトファイル(.aniproject)が UE にインポート可能です。

4. Unreal Engine へのインポート手順
手順1: インポート開始
UE の コンテンツブラウザ → Import ボタンをクリック
[

手順2: Anima プロジェクトを選択
.aniproject ファイルを選び、「開く」をクリック

手順3: シーン選択
「Open Scene」ダイアログが表示され、インポートするシーンを選択

手順4: インポートオプションを設定
インポート時にはいくつかのオプションが表示されます:
材質タイプ
リアル(SSS肌あり) / 白ランバート / ゴースト反射
アセット重複時
既存を保持 or 置換
既存アクター
既存を保持 or 置換
車両LODの作成
車両LODをスキップ(インポートが高速化)

手順5: インポート完了
数秒でシーンが UE に生成されます
「再生」ボタンを押せば、Anima 内と同じようにキャラクターが動きます

5. 最適化(LOD & GPU アクセラレーション)
インポートされたキャラクターは自動的に LOD(レベル・オブ・ディテール) が生成されます。
遠景ではローポリモデルに切り替わりパフォーマンスを維持
大量の群衆を配置してもフレームレートが落ちにくい
GPU アクセラレーションによる快適な再生が可能
6. まとめ
Anima プラグインを導入すれば、Anima → UE のシーン生成は数クリックで完了
アクター・マテリアル・アニメーションも自動で転送され、即再生可能
自動LODによる最適化で、大規模群衆でも UE 内で快適に動作
Chaos Anima 6 と UE5 の連携は、建築ビジュアライゼーションからゲーム開発まで、リアルタイム表現の強力な武器になります。
4D人物レンダリング時の注意点と対処法
4Dの人物は非常にデータが重いため、シーケンサーを使ってアニメーションをレンダリングすると 特定のフレームでテクスチャーが崩れること があります。

シーケンサーの挙動
シーケンサーでレンダリングを実行すると、人物は常に「最初から」レンダリングを開始します。
そのためカメラを切り替えても、全て同じ方向に動いてしまいます。
また、内部で映像の一部だけを再レンダリングすることはできません。人物の動きと映像が一致しなくなるためです。
デフォルト品質設定の違い
UEのビューポートは通常「Epicモード」で動作しますが、シーケンサーを使用する場合はデフォルトで「Cinematicモード」になります。
シーケンサーのパフォーマンスを改善したい場合は、 ムービーレンダーキューの設定で「シネマティック品質設定」を無効化 し、Epic品質に統一する方法があります。
品質はやや低下しますが、レンダリング速度が大幅に向上し、テクスチャー崩れも発生しにくくなります。

もしAnimaの動きがレンダリング時に「数フレーム先から始まってしまう」場合は、Anti-Aliasing Warm Up Count の数値を下げる ことで解決できます。

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